獅子裁乱れ歌第15話「変態の一日」
「ふふふ~ん。今日もいつもの如くあの星の光がうざいな。いっそのこと破壊してやろうか」
地上に光を注いでいる太陽に向かって変態はそう言った。
「だがいかんせん、この場所ではなぜか我の力がだせん。何度あの小娘にコケにされたことか、力が出せればこんなことにはならなかったのだが」
歩きながら変態は愚痴を言う。
「この時間帯はなぜか小娘の気配も辿れん、全くここは我にとって不可解なことが多い。もっともだからこそ暇をもてあそぶこともないのだがな」
いまは日がちょうど真上にあたる時刻。世間一般で言うお昼時の時間帯だ。
「だが、移動手段が我にとって歩くことしかないとは実につまらんな、まぁたまに通る車の上にでも乗れれば少しは楽なのだが」
どこに行くかとか全くきまっていない変態は、気の向くまま歩いている。
「しかし、不可解なことが起きるのはもしやこの場所だけなのかもしれん。我がこの町に落ちてから数日の間色々な場所を巡ったが、一定の場所で必ず行きどまる。道としては先があるにもかかわらず、だ。この町を深く知るためにも早くあの小娘を手中に収めねばならんな」
変態は変な決心をし、小石と戯れ始めたのだった。
[0回]
PR